【読書】青木和雄ほか『ハッピーバースデー』金の星社 2005.4

青木和雄ほか『ハッピーバースデー』金の星社
https://www.kinnohoshi.co.jp/search/info.php?isbn=9784323070568

ひとと、「アダルトチルドレン」についてお話する機会があって、この本のことを思い出しました。保護司さんたちが実際の経験をもとに執筆した小説作品。
「あんたなんか生まなきゃよかった」。母親からの言葉によって、声が出なくなってしまった少女、あすか。彼女が声を取り戻したのは、励ましやカウンセリングではなく、祖父母のもとで過ごす、穏やかな生活を通してだった。声を取り戻し、生きてゆく力を取り戻したあすか。彼女は、いじめ学級のクラスメイトたち、重度の障害を抱えながら懸命に生きる同級生、そして両親に、自分から主体的に関わってゆく…
辛い状況にあるときでも、自分からは声を出さないひと。そのひとは、「わざと出さないようにしている」のではなく、「出せない」。その声を、「引き出す」のではなくて「待つ」。大事な気付きがたくさんある一冊でした。

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