【法学】NPO法人 遺言・相続リーガルネットワーク『改訂 実務解説 遺言執行』日本加除出版

NPO法人 遺言・相続リーガルネットワーク『改訂 実務解説 遺言執行』日本加除出版 2012.12
https://www.kajo.co.jp/book/40386000002.html?fbclid=IwAR3KzZAAY0lIl-XtU31u6RBJ_sREBoWgAMTF_ou326aSRPPumYuoDK6M9dw

 遺言執行についての基礎文献。遺言の作成から、遺言執行者への就任、執行、そして執行が完了したあとの手続まで、解説。参照するべき(裁)判例、遺言執行者となった弁護士に関する懲戒事例、遺言無効事例の紹介も、充実。

 かゆいところに手が届く内容。たとえば、「不倫相手への遺贈は、公序良俗違反により、無効となるとした判例がある」「遺言執行者が成年被後見人でも、欠格事由にはならない」等々。

 読んでみて、成年後見が「財産の管理」を中心としているのに対し、遺言執行が「財産の処分」(権利の移転)を中心としていることを、あらためて実感。

 「権利の移転」には「対抗要件の具備」が、つきもの。様々な財産についての対抗要件具備手続に関しても、解説。不動産に限らず、自動車や特許権も、対抗要件具備手続について、共同申請主義をとっていることが分かりました。興味深いなぁ。なぜ、債権の譲渡については、対抗要件の具備に関して、譲渡人からの通知だけで足りることになっているんだろう。

 実務面でも・理論面でも、面白い一冊でした。

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