【読書】柏木惠子『子どもが育つ条件』岩波新書

柏木惠子『子どもが育つ条件』岩波新書 新赤版1142 2008.7.18
https://www.iwanami.co.jp/book/b225930.html

一般的な子育て論は「どう育てるか」。ここに欠けている視点。「子どもには自ら育っていく力がある」そして「親も子育てによって成長する」。

子どもの成長にとって大きい要因は「親から教えられること」ではなくて「親から見てとったこと」。
「片づけなさい」→親は片づけているか?
「勉強しなさい」→親は勉強しているか?
そして子どもは親だけでなく周囲の子どもたち・おとなたちのことも見て育つ。「母親と子どもだけ」の家庭環境で育てるのではなく、複数の人間が関わる環境で育てることが大事。その意味でも保育所数の充実は重要。

子育てを通じて親も育つ。
①子どもに対しては、予期せぬ行動に付き合うことで、自己抑制力が強まってゆく。
②職場に対しては、子育て時間の確保など、主張するべきことを主張することで、自己主張力が強まってゆく。
育児は育自。
専業主婦として子育てする場合、職場での成長から自分を隔離することになるため、その分だけ自分の成長が実感できず育児不安が強まり、その代償として全ての時間労力を「先回り育児」「よかれ育児」に注ぐことになることがある。しかし育児において大切なことは「やったほうがいいことをさせること」ではなく「子どもが何をしたいのかを汲むこと」。先回り育児・よかれ育児は、子どもが自分の力で育っていくことを無視しがちな育児方法。

〔中島コメント〕

「子どもは自分で育つ」「親も育児で成長する」。これらのことばは社員教育についても同じく当てはまる気がします。
時間をかけて教えた仕事よりも、ドタバタしていて丸投げしてしまった仕事のほうが、かえって自分できちんと調べて上手く処理してくれたり…
私自身も、もっと単価の高い仕事を、もっと早く仕上げようと心掛けるようになったり…
考えてみると、「ひとを育てる」という意味では、育児も社員教育も、同じですね。そして「子は親を見て育つ」のならば、「社員は経営者を見て育つ」ともいえるのかもしれません。うわわ、私も、もっとしっかりしなきゃ…( ̄▽ ̄;) ← お父さん気分

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