【読書】金子雅臣『壊れる男たち』岩波新書
金子雅臣『壊れる男たち』岩波新書 新赤版996 2006.2.21
https://www.iwanami.co.jp/book/b268815.html
『逃げるは恥だが役に立つ』を読んで、この本のことを思い出しました。
著者は、労働ジャーナリスト。セクハラした男性たちの言い分について、分析。彼らには、共通して、「二つの思い込み」があったといいます。
1 女性に対して、自分が仕事面で便宜を図ってあげたら、その女性は、自分に対して、感謝の気持ちから、恋愛感情を持つものである。
2 いったん男性が女性のことを好きになったら(たとえ自分または相手に妻子があったとしても)その行動には歯止めが利かなくなるものである。
『逃げ恥』に関連して、特に気になる点は、2です。
『逃げ恥』には、みくり(女性・労働者)が近づいて、平匡(男性・雇用主)が手を出す、という構図がありました。
「魅力的な女性が近づいてきたら、立場に関係なく、男性は手を出すでしょう」
この意識は、上記2と、表裏一体です。
セクハラという観点から、みくりに対する平匡の行動を考えてみると、結果として、お互いの気持ちが通ったから、よかったものの、雇用主としては、かなり危うい行動でした。
主人公と、ヒロインとが、結ばれる。そうしたマンガの決まりがあったからこそ、この物語では、セクハラが問題にならなかったのでしょう。
『逃げ恥』、色々な観点から読むことができて、面白いです(^^)