【うた】小泉今日子「あなたに会えてよかった」ビクターエンタテインメント
小泉今日子「あなたに会えてよかった」ビクターエンタテインメント
https://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A000330/VIDL-10123.html
小泉今日子さんの、「あなたに会えてよかった」。
テレビドラマ「パパとなっちゃん」主題歌(註1)。
この歌の作詞は、小泉さん自身。「恋人に対する歌って、歌詞ではそうなっていますけど、私はお父さんを思って書いたのを覚えています」(註2)。
この歌、小川洋子さんの、『最果てアーケード』の物語に、よく合うので、私、感想を書きながら、よく聴いていました。
「さよならさえ、上手に言えなかった」
『最果てアーケード』の登場人物たちも、「さよなら」を、上手に言えなかったひとたちでした。
この詞から、私は、兎夫人が、がらんどうの義眼屋を覗き込む、その場面を、思い浮かべます。
思う相手、慕う相手と、離別するとき・死別するときに、「さよなら」を、上手に言えたひと。そのようなひとが、果たして、どれほど、いるでしょう。
「世界で一番、素敵な恋をしたね」
『最果てアーケード』での、父と娘との、やりとり。
娘が、お父さんに、映画のチケットを、渡す。
「誰か好きな人と一緒に、行ってきてよ」
「じゃあ、お前と行こう」
二人にとって、世界で一番、素敵な会話でしょう。
実際、小泉さんは、中学生の頃、家庭の事情から、お父さんと、二人で暮らしていた時期が、あったそうです。
その時期が、小泉さんにとっては、「なんて自由で楽しいんだろう」(註3)。
当時、小泉さんのお父さんは、事業に失敗、倒産。そのように、お父さんが、「仕事のない、暇なお父さん」だったことは、娘である小泉さんにとっては、かえって、良いことだったようです。
このことから、個人的に、連想。
戦後日本社会の、お父さんたちの、大半の、働き方だった、「正社員」。その「正社員」の「長時間労働」及び「無制限転勤」は、単身化・少子化という、数字として目に見える問題の裏で、「お父さんに、十分に甘えることができなかった、娘さんたち」を、たくさん生み出してきたのかもしれません。
註1 パパとなっちゃん公式ページ「娘の一言に、娘のひとにらみに、娘の笑いに、娘の涙に、一喜一憂し、天に昇り、絶望の淵に落とされる父親の親バカぶり」笑
https://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/d0604/
註2 小泉今日子「あなたに会えてよかった」秘話 歌詞に思い込めた相手とは…
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2017/05/10/kiji/20170510s00041000159000c.html
註3 ほぼ日刊イトイ新聞 小泉今日子のいる場所。
https://www.1101.com/kyon2/