【見聞】松本清張記念館

松本清張記念館
https://www.seicho-mm.jp/

 機会があって、小倉へ。町を、歩いてみました。

 松本清張記念館。
 作家・小川洋子さんが、その著書である『みんなの図書室2』において、松本さんの作品である『或る「小倉日記」伝』を、紹介していました。そのことが、きっかけで、個人的に興味を持って、この記念館を、訪ねてみました。

 作家・松本清張さん。1909-1992。生まれは、小倉。生家は、貧しかった。松本さんは、15歳で、それ以上の進学はせず、働きに出ることに。新聞社の、版下工。
 松本さんは、勤労しながらの、文学青年だった。地元の、八幡製鉄に勤務する青年たちと、文学について、語り合っていた。
 プロレタリア文学作家・小林多喜二の、悲惨な死は、松本さんにとっても、衝撃だった。
 太平洋戦争では、松本さんは、衛生兵として、朝鮮へ、出征した。
 戦後も、松本さんは、企業に勤め続けていた。
 42歳、松本さんの小説である『西郷札』が、直木賞の候補になった。そして、『或る「小倉日記」伝』が、芥川賞を、受賞した。松本さんは、会社を退職して、作家になった。

「私は、作家になった年齢が、遅かった。書きたいことが、たくさんある。時間が足りない」

 松本さんの、作家になってからの、旺盛な執筆活動の、おおもとには、松本さんが、長年、勤労青年かつ文学青年として、積み重ねてきた、素養があったのでしょう。
--そのひとの人生が、いつ始まるかは、そのひと次第。それが、いつであっても、そのひとにとっては、遅くない。
 そのように、松本さんの言葉とは裏腹に、個人的に思えてくるような、素敵な人生を送った作家さんの、記念館でした。

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