【考えの足あと】司法書士のアタマのなか

 ふだん、私が依頼を受けたときに、どういう考え方をしているか、チャートにしてみました。私よりも、もっと若いひとたちへ説明するために…

 「不動産の相続登記をしたい」。「株式会社を設立したい」。このように、依頼内容が、そのまま司法書士業務になる場合には、仕事の進め方は、とてもシンプルです。

 問題になる案件は、「最終的には、こうしたいです。でも、そのためには、どうすればいいのでしょう?」。
 特に、複数の問題があって、それらの解決のために、複数の手続がからむ場合には、こういう問いかけのかたちで、相談が来ることになります。
 そうした相談に対応してゆくためのチャートが、こちら。

 まず、複数ある問題を、個別に抽出する。
 それらの個別の問題に対応する手続を、それぞれ割り出す。
 それらの個別の手続について、要件・必要書類を調べる。
 要件・必要書類を調べるなかで、出て来た障害・疑問について、さらに、その解決方法を調べる。
 自分の業務範囲では解決できない障害・疑問の場合、外部の業者さんを紹介できる人脈があるかどうかも、大事になってくる。
 こうした思考・調査を通して、「A手続が終わってはじめて、B手続に必要な書類が出てくる」等、個別の手続同士の先後関係が、分かってくる。
 そうして把握した先後関係をもとに、全体の流れを再度構成する。

 こうした順序で、考えて組み立てると、全体として円滑に進む、手続の流れを、依頼者さんに提案することができるようになります。

 こうした考え方については、工学者・畑村洋太郎さんの、下記の著作から、個人的に、大きなヒントを得ています。
  『失敗を生かす仕事術』(講談社現代新書)
  『組織を強くする技術の伝え方』(講談社現代新書)
  『技術の創造と設計』(岩波書店)
 畑村さんの著作が、私にとって大きなヒントになっていることに、このチャートの作成を通して、あらためて自分でも気づきました。
 『失敗を生かす仕事術』『組織を強くする技術の伝え方』は、私が新社会人になって間もない頃に読んで、それ以来、ずっと手元に置いている一冊。『技術の創造と設計』は、『失敗を生かす仕事術』よりも、もっと本格的な一冊。どちらも、おすすめです。

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